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叶恭子の知のジュエリー12ヵ月 (よりみちパン!セ)

叶恭子の知のジュエリー12ヵ月 (よりみちパン!セ)


あのシスターズオブビューティーのお姉様にして、全人類の「姉」(と、本の帯には書いてある)叶恭子さんの本です。


カテゴリはなんと児童書。
12ヶ月ごとにそれぞれ、「知性」「ブス」「恋愛」「お金」などのテーマがひとつ設けられ、それらにまつわる恭子さんの考えや、中高生の女の子の相談に、恭子さんが回答しているものをまとめてある構成になっています。


小さい事でぐずぐず悩めるフシのあるわたくしを慮って、お友達がオススメしてくださったであろうこの御本。


恭子さんの言葉は中高生向けということもあってか、とても平易な言葉で、かつ鋭く、読んでいて小気味良く心の的を射てくださる。


相談に対する回答も丁寧かつ真摯。決め付けず偏らない、とてもエレガントな回答で、インテリジェンスとユーモアが溢れています。


そして巻末、「谷川俊太郎さんから恭子さんへの4つの質問」。

その答えの清々しいまでのぶれなさよ!!


中高生のときにこの本を読んでいたら、わたしの人生はもう少し違ったものになったかもしれない・・・けど、もし中学生だった頃のわたしが読んだとしたら、あまのじゃくぶりが先に立って、「恭子さんがそんなこと言ったって、できないものはできん!!」と反発したり、スネたりしちゃったかもしれないな。


素直に、他人の言葉や優しさが沁みるようになった今だからこそ、恭子さんの言葉が気持ち良く響くんだと思います。

人よりもちょっと大人になるのに時間がかかるわたしには、今読んでおいてよかった本なのかもしれません。



しかし、わたし自身がヨーガを修めるものだからでしょうか、恭子さんにはとてもヨーガを感じます。


かの空海師は、ヨーガをこう表現しているそうです。


「相応渉入の義」と。


「相応」はつり合いが取れているさま。仏教用語では心と心の働きが結びついていること、「渉」は「渡る」。間を隔てているものの一方から他方に越えていくこと。それに「入」っていく「義」、すなわち教え。


心と身体、現在と未来、自分と他人など、恭子さんの考えには、常にバランスが絶妙に取られた「絶対水平」が基本になっていることを強く感じます。
そこには、突き抜けたエキセントリックさは感じられません。
ヨーガは日常にこそ生かすことができると常々感じるわたしにとって、恭子さんの言葉とヨーガの求道者のそれと同じもののように思えるのです。


人生を素晴らしいものにするのは自分。

自身を見つめる、心を、身体を、愛して慈しむ。そこから始まるのです。



とても元気が湧いてくる本です。

おすすめしてくださってありがとうございました。またバイブルが増えましたよ。