2007-05-25 難破船 日々 明け方に目が覚めて、途方もなく広い海にひとりで投げ出されているような恐ろしい気持ちになることがある。 波打つ心臓。粟立つ皮膚。指先から肩までがひどく冷えている。 肩を温めるように抱きしめる。つけっぱなしていたテレビを消す。 静寂。体がどんどん海の底に沈んでいくのをただ感じる。 考えるのをやめる。頭の奥で何かがほどける。 誰か、が腕を掴んでくれたらいいのに、と、一瞬幸せな夢を見る。 そうして毛布の波間で意識が潰える。