なま。


29日に名古屋市民会館中ホールにて上演された「LOVE30〜女と男と物語〜」を見てきました。
1本のお話が30分のオムニバス形式の舞台なんですが、集中力のあまりないわたしにはちょっと短いよー!と思うくらいのこれくらいの長さの話がちょうどいい。
キャストの豪華トリプル眼鏡*1はそれぞれの有り様に麗しく、役柄はみんなちょっと腰が引け気味で、女の人にちょっと頭が上がらないけど優しい感じ、が全体のトーン。女性キャスト*2は可愛く程よく自分勝手で、もれなく気が強く、男性を振り回していることに自覚的な無自覚さが印象的。


1話目の山寺・水野組はまだ客席があったまってないところですごくやりづらそうではあったし、ちょっと声が聞き取りにくかったのが残念だったけど、ほっこりいい話でした。バツ付きにはちょっと切ないお話だったけど。勝手に乗り込んでくる元妻が元夫のうちでやりたい放題しながらも、夫の恋をちょっと応援しちゃうところとか、なんつーかもう…こう…なあ…(涙)几帳面で真面目な美術教師の山寺さんが、なぜこのキッツいライターの妻・水野さんと結婚して離婚したのか、などのアナザーサイドを想像させる余地のある深いお話だったと思います。


2話目は、客席に片桐ファンが多かったのかな?彼の持つ笑わせる力が強いのかな?とにかく片桐さんが登場した瞬間、客席の温度がぐん、と上がった感じがしました。独特の間や何気ない所作で笑わせ、背中の丸め方ひとつでキュンとさせるのが本当に素晴らしかった。あと、真中瞳ちゃんもとてもよかった!声も通るし動きもわかりやすくて舞台栄えする女優さんなのですね。わんわん泣くシーンがとてもリアルでもらい泣きしちゃったくらい。脚本も30分にいろんな要素をぎゅうぎゅうに詰められてあって30分とは思えないくらいの充実ぶりでした。


3話目はさすが。明転した瞬間の生瀬さんの後ろ姿だけでもっていかれました。しかも髭で眼鏡で喪服で声がいい!エロス!この舞台のキングは決定、という雰囲気がぷんぷんでしたわ。YOUちゃんは、前に舞台で見たことがあるので安心していましたが、あの小さくて可愛いささやき声が聞き取りやすいのはどういうわけなんだろう。最小限の動きで自分に注意を引かせるのはどうやったらいいかをちゃんとわかっている役者さんですね。謎の暗号「とんかつ取り替えた」には笑った。脚本と役者の力量ががっちり組まれているという感じで危なげ無し。


どのお話もチャーミングでしたが、メリハリがあってバランスが良かったのは2話目の片桐・真中組。個人的に好みな話だったのは3話目の生瀬・YOU組のやつ。いたたた、と胸に迫るのは1話目の山寺・水野組、でした。
久々のお芝居はとっても面白かった!見にいってよかったです。お芝居はなかなか見に行けないけど、落ち着いたらいっぱい見たい役者さんや劇団は心のメモにつけています。
まだまだいろんなものを見てからじゃないとね。